はじめに
データ分析や時系列データの処理を行う際に、月の差分計算や月数の算出は非常に重要な要素となります。例えば、売上データの月ごとの増減や、顧客数の月ごとの変動など、月単位のデータを分析する際には、月の差分や月数を正確に計算することが必要です。
Pythonのデータ分析ライブラリであるPandasを使用すると、簡単に月の差分計算や月数の算出ができます。本記事では、Pandasを使ってデータフレームの月の差分計算と月数の算出を行う方法について解説します。
データフレームの作成と日付データの準備
まずは、データフレームを作成し、日付データを準備します。以下のコードを実行して、必要なライブラリをインポートし、データフレームを作成します。
import pandas as pd import numpy as np # データフレームの作成 df = pd.DataFrame({'date': pd.date_range(start='2021-01-01', end='2021-12-31', freq='D'), 'value': np.random.randint(0, 100, size=365)}) df.head()
上記のコードでは、日付範囲を指定してデータフレームを作成し、’date’列には日付データを、’value’列にはランダムな整数値を設定しています。データフレームの先頭5行を表示すると、以下のような結果が得られます。
date value 0 2021-01-01 15 1 2021-01-02 59 2 2021-01-03 40 3 2021-01-04 18 4 2021-01-05 97
時系列データを扱う上での基本操作:インデックス設定やリサンプリング
時系列データを扱う上での基本操作として、インデックスの設定やリサンプリングがあります。まずは、データフレームのインデックスを日付データに設定します。
# インデックスの設定 df.set_index('date', inplace=True) df.head()
上記のコードを実行すると、’date’列がインデックスに設定されます。
次に、リサンプリングを行い、月ごとのデータに集約します。以下のコードを実行して、月ごとのデータにリサンプリングします。
# 月ごとのデータにリサンプリング df_monthly = df.resample('M').sum() df_monthly.head()
上記のコードでは、resample
関数を使用して、’M’という引数を指定しています。これにより、データが月ごとに集約されます。
データフレームを表示すると、以下のような結果が得られます。
value date 2021-01-31 1679 2021-02-28 1389 2021-03-31 1577 2021-04-30 1490 2021-05-31 1517
月の差分計算:diff関数やshift関数の活用
次に、データフレームの月の差分計算を行います。Pandasでは、diff
関数やshift
関数を使用することで、簡単に月の差分を計算することができます。
まずは、diff
関数を使用して、月ごとの差分を計算します。以下のコードを実行して、月ごとの差分を計算します。
# 月ごとの差分を計算 df_monthly_diff = df_monthly.diff() df_monthly_diff.head()
上記のコードでは、diff
関数を使用して、前月との差分を計算しています。
データフレームを表示すると、以下のような結果が得られます。
value date 2021-01-31 NaN 2021-02-28 -290 2021-03-31 188 2021-04-30 -87 2021-05-31 27
次に、shift
関数を使用して、前月との差分を計算します。以下のコードを実行して、前月との差分を計算します。
# 前月との差分を計算 df_monthly_shift = df_monthly - df_monthly.shift(1) df_monthly_shift.head()
上記のコードでは、shift
関数を使用して、1つ前のデータとの差分を計算しています。
データフレームを表示すると、以下のような結果が得られます。
value date 2021-01-31 NaN 2021-02-28 -290 2021-03-31 188 2021-04-30 -87 2021-05-31 27
月数の算出:date_range関数やrelativedeltaの利用
最後に、月数の算出方法について解説します。Pandasでは、date_range
関数やrelativedelta
モジュールを使用することで、簡単に月数を算出することができます。
まずは、date_range
関数を使用して、指定した範囲の月数を生成します。以下のコードを実行して、2021年1月から2022年12月までの月数を生成します。
# 指定した範囲の月数を生成 months = pd.date_range(start='2021-01-01', end='2021-12-31', freq='M') len(months)
上記のコードでは、date_range
関数を使用して、’M’という引数を指定しています。これにより、月ごとの日付データが生成されます。
結果として、12という値が得られます。つまり、2021年1月から2021年12月までの合計24ヶ月分のデータが生成されています。
次に、relativedelta
モジュールを使用して、2つの日付間の月数を算出します。以下のコードを実行して、2021年1月1日から2021年12月31日までの月数を算出します。
from dateutil.relativedelta import relativedelta # 2つの日付間の月数を算出 start_date = pd.to_datetime('2021-01-01') end_date = pd.to_datetime('2021-12-31') months_between = relativedelta(end_date, start_date).months months_between
上記のコードでは、relativedelta
モジュールを使用して、2つの日付間の月数を算出しています。
結果として、11という値が得られます。つまり、2021年1月1日から2021年12月31日までの間には、合計11ヶ月分の月数が存在します。
まとめ
本記事では、Pythonのデータ分析ライブラリであるPandasを使用して、データフレームの月の差分計算と月数の算出について解説しました。データフレームの作成や日付データの準備、インデックス設定やリサンプリング、月の差分計算や月数の算出の方法について詳しく説明しました。
月の差分計算や月数の算出は、データ分析や時系列データの処理において非常に重要な要素です。Pandasを使えば、簡単にこれらの計算を行うことができます。ぜひ、実際のデータ分析において活用してみてください。
以上で、Pandasデータフレームの月の差分計算と月数の算出についての解説を終わります。