Webスクレイピングにおいて、データを収集する際にはHTMLの解析が必要です。その中でも、テーブル形式でデータが表示されている場合には、テーブルの行や列を解析することが重要になります。しかし、テーブルがネストされている場合には、解析が難しくなることがあります。そこで、PythonのライブラリであるBeautifulSoupを用いて、ネストされたテーブルを解析する方法を紹介します。
BeautifulSoupとは何か、ネストされたテーブルとは何か
BeautifulSoupは、PythonでHTMLやXMLを解析するためのライブラリです。Pythonの標準ライブラリにはHTMLやXMLを解析するための機能がありますが、BeautifulSoupはそれらの機能を拡張してより柔軟に解析ができるようになっています。
ネストされたテーブルとは、テーブルの中にさらにテーブルがあるような構造のことを指します。例えば、以下のようなHTMLがあったとします。
<table> <tr> <td>1</td> <td>2</td> </tr> <tr> <td>3</td> <td> <table> <tr> <td>4</td> <td>5</td> </tr> <tr> <td>6</td> <td>7</td> </tr> </table> </td> </tr> </table>
このHTMLにおいて、2行目の2列目には、さらにテーブルがネストされています。
BeautifulSoupを用いた基本的なHTML解析方法
BeautifulSoupを用いたHTMLの解析には、以下のような手順があります。
- HTMLをBeautifulSoupオブジェクトに変換する
- BeautifulSoupオブジェクトを用いて、HTMLを解析する
まず、HTMLをBeautifulSoupオブジェクトに変換するためには、以下のようなコードを用います。
from bs4 import BeautifulSoup html = "<html><body><p>Hello, World!</p></body></html>" soup = BeautifulSoup(html, "html.parser")
ここでは、HTMLの文字列をBeautifulSoupオブジェクトに変換しています。第2引数には、HTMLのパーサーを指定しています。ここでは、Pythonの標準ライブラリに含まれるhtml.parserを使用しています。
次に、BeautifulSoupオブジェクトを用いて、HTMLを解析することができます。例えば、以下のようなHTMLがあったとします。
<html> <head> <title>Example</title> </head> <body> <p>Hello, World!</p> </body> </html>
このHTMLを解析するためには、以下のようなコードを用います。
from bs4 import BeautifulSoup html = "<html><head><title>Example</title></head><body><p>Hello, World!</p></body></html>" soup = BeautifulSoup(html, "html.parser") title_tag = soup.title print(title_tag.string) p_tag = soup.body.p print(p_tag.string)
ここでは、soup.titleでtitleタグを、soup.body.pでbodyタグの中の最初のpタグを取得しています。取得したタグの中身を取得するには、string属性を用います。
BeautifulSoupでネストされたテーブルを解析する手順
BeautifulSoupを用いて、ネストされたテーブルを解析する手順は、以下のようになります。
- HTMLをBeautifulSoupオブジェクトに変換する
- BeautifulSoupオブジェクトを用いて、テーブルを解析する
- テーブルの中にさらにテーブルがある場合には、再帰的に解析する
具体的には、以下のようなコードを用います。
from bs4 import BeautifulSoup html = "<table><tr><td>1</td><td><table><tr><td>2</td></tr></table></td></tr></table>" soup = BeautifulSoup(html, "html.parser") def parse_table(table_tag): rows = [] for tr_tag in table_tag.find_all("tr", recursive=False): # Only direct tr children are considered cols = [] for td_tag in tr_tag.find_all("td", recursive=False): # Only direct td children are considered if td_tag.table: cols.append(parse_table(td_tag.table)) else: cols.append(td_tag.string) rows.append(cols) return rows table_tag = soup.table data = parse_table(table_tag) print(data)
ここでは、parse_tableという関数を定義して、再帰的にテーブルを解析しています。テーブルの中にさらにテーブルがある場合には、parse_table関数を再帰的に呼び出しています。解析結果は、2次元リストとして返されます。
具体的なコード例を通した解析方法の紹介
具体的なコード例を用いて、ネストされたテーブルを解析する方法を紹介します。ここでは、以下のようなHTMLがあったとします。
<table> <tr> <td>1</td> <td>2</td> </tr> <tr> <td>3</td> <td> <table> <tr> <td>4</td> <td>5</td> </tr> <tr> <td>6</td> <td>7</td> </tr> </table> </td> </tr> </table>
このHTMLを解析するためには、以下のようなコードを用います。
from bs4 import BeautifulSoup html = "<table><tr><td>1</td><td>2</td></tr><tr><td>3</td><td><table><tr><td>4</td><td>5</td></tr><tr><td>6</td><td>7</td></tr></table></td></tr></table>" soup = BeautifulSoup(html, "html.parser") def parse_table(table_tag): rows = [] for tr_tag in table_tag.find_all("tr", recursive=False): # Only direct tr children are considered cols = [] for td_tag in tr_tag.find_all("td", recursive=False): # Only direct td children are considered if td_tag.table: cols.append(parse_table(td_tag.table)) else: cols.append(td_tag.string) rows.append(cols) return rows table_tag = soup.table data = parse_table(table_tag) print(data)
実行結果は以下のようになります。
[[u'1', u'2'], [u'3', [[u'4', u'5'], [u'6', u'7']]]]
ここでは、2次元リストとして解析結果が返されています。2行目の2列目には、再帰的に解析されたテーブルが含まれています。
ネストされたテーブル解析の際の注意点とトラブルシューティング
ネストされたテーブルを解析する際には、以下のような注意点があります。
- 再帰的な解析を行うため、スタックオーバーフローに注意すること
- テーブルの構造が複雑になると、解析が難しくなることがある
また、以下のようなトラブルが発生することがあります。
- テーブルが正しく閉じられていない場合には、解析が失敗することがある
- テーブルの中にスクリプトやスタイルが含まれている場合には、解析が失敗することがある
これらのトラブルを回避するためには、正しいHTMLを用意することが重要です。
BeautifulSoupでネストされたテーブルを解析する上でのベストプラクティス
BeautifulSoupでネストされたテーブルを解析する上でのベストプラクティスは、以下のようなものがあります。
- 再帰的に解析するため、スタックオーバーフローに注意すること
- テーブルの構造が複雑になると、解析が難しくなることがあるため、できるだけ単純な構造のテーブルを用意することが望ましい
- テーブルの中にスクリプトやスタイルが含まれている場合には、解析が失敗することがあるため、テーブル以外の要素が含まれていないようにすることが望ましい
まとめ
BeautifulSoupを用いることで、ネストされたテーブルを解析することができます。解析の手順は、HTMLをBeautifulSoupオブジェクトに変換し、テーブルを解析することです。テーブルがネストされている場合には、再帰的に解析することが必要になります。解析の際には、正しいHTMLを用意し、スタックオーバーフローに注意することが重要です。