はじめに
pandasは、Pythonでデータ解析や加工を行うためのライブラリの1つであり、大量のデータを扱う場合でも高速かつ効率的な処理が可能です。この記事では、pandasを使ってデータを上から順に操作する方法について説明します。
pandasを使って上から順にデータを操作する利点
pandasを使ってデータを上から順に操作することには、以下のような利点があります。
- データセットの大きさに関係なく、データを正確かつ迅速に操作できる。
- データセットを先頭から確認しながら操作できるため、時系列データの傾向やパターンを把握できる。
データフレームを上から順に操作する方法
Pandasのデータフレームを上から処理する際にはrolling()を使用します。
rollingは時系列データの分析などでよく使用されるメソッドで、データ数を指定して縦方向のデータを取得し、処理することが出来ます。
たとえば、上から3つのデータの最小値を取得する処理は以下のようになります。
import numpy as np import pandas as pd df = pd.DataFrame({'a':[1,2,3,4,5,6,7,8,9,10], 'b':[10,9,8,7,6,5,4,3,2,1]}) df['c'] = df['a'].rolling(3).min() print(df)
c列を確認すると3行分の最小値が設定されていることがわかります。
a b c 0 1 10 NaN 1 2 9 NaN 2 3 8 1.0 3 4 7 2.0 4 5 6 3.0 5 6 5 4.0 6 7 4 5.0 7 8 3 6.0 8 9 2 7.0 9 10 1 8.0
前から順に平均値を求める
rollingを使用して上から順に最小値を求めます。最小値を求める範囲は3行分とするため、rollingの引数に3を指定しています。
df = pd.DataFrame({'a':[1,2,3,4,5,6,7,8,9,10], 'b':[10,9,8,7,6,5,4,3,2,1]}) df['c'] = df['a'].rolling(3).mean() print(df)
処理を実行するとcにa列の3行分のデータの最小値が取得されていることがわかります。
a b c 0 1 10 NaN 1 2 9 NaN 2 3 8 2.0 3 4 7 3.0 4 5 6 4.0 5 6 5 5.0 6 7 4 6.0 7 8 3 7.0 8 9 2 8.0 9 10 1 9.0
前から順に自作関数を適用する
rollingにはapplyと組み合わせることで自作関数を適用することもできます。
ここでは最大値を返すmaxfuncという関数を作成し、applyを使って適用しています。
def maxfunc(x): return np.max(x) df['d'] = df['a'].rolling(3).apply(maxfunc) print(df)
処理を実行するとdにa列の3行分のデータの最大値が取得されていることがわかります。
a b c d 0 1 10 NaN NaN 1 2 9 NaN NaN 2 3 8 2.0 3.0 3 4 7 3.0 4.0 4 5 6 4.0 5.0 5 6 5 5.0 6.0 6 7 4 6.0 7.0 7 8 3 7.0 8.0 8 9 2 8.0 9.0 9 10 1 9.0 10.0
まとめ
この記事では、pandasを使ってデータを上から順に操作する方法について説明しました。上から順に操作するにはrolling関数を使用します。平均値を求めるmeanなど準備されている関数とは別に、自作関数を適用することも可能です。
pandasを使えば、大量のデータを高速かつ効率的に処理することができます。この記事を参考に、pandasを使ったデータの上から順に操作する方法をマスターして、効率的なデータ解析を行いましょう。