[Python]Pandasで同じインデックスを持つDataFrameの結合方法

はじめに

Pandasは、Pythonのデータ解析ライブラリであり、データフレームという形式でデータを操作することができます。データフレームは、行と列からなる2次元のデータ構造であり、Excelのスプレッドシートのような形式でデータを扱うことができます。

本記事では、Pandasを使用して同じインデックスを持つデータフレームを結合する方法について説明します。同じインデックスを持つデータフレームを結合することで、異なるデータフレームの情報を組み合わせることができます。

方法1:concat関数による同じインデックスを持つデータフレームの横方向結合

concat関数を使用すると、複数のデータフレームを横方向に結合することができます。横方向結合とは、列方向にデータを追加することを意味します。

以下の例では、2つのデータフレームを作成し、concat関数を使用して横方向結合しています。

import pandas as pd
# データフレーム1の作成
df1 = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3],
                    'B': [4, 5, 6]},
                   index=[0, 1, 2])
# データフレーム2の作成
df2 = pd.DataFrame({'C': [7, 8, 9],
                    'D': [10, 11, 12]},
                   index=[0, 1, 2])
# 横方向結合
result = pd.concat([df1, df2], axis=1)
print(result)

上記のコードを実行すると、以下のような結果が得られます。

   A  B  C   D
0  1  4  7  10
1  2  5  8  11
2  3  6  9  12

concat関数のaxisパラメータに1を指定することで、横方向結合を行っています。

方法2:merge関数による同じインデックスを持つデータフレームの縦方向結合

merge関数を使用すると、同じインデックスを持つデータフレームを縦方向に結合することができます。縦方向結合とは、行方向にデータを追加することを意味します。

以下の例では、2つのデータフレームを作成し、merge関数を使用して縦方向結合しています。

# データフレーム1の作成
df1 = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3],
                    'B': [4, 5, 6]},
                   index=[0, 1, 2])
# データフレーム2の作成
df2 = pd.DataFrame({'A': [7, 8, 9],
                    'B': [10, 11, 12]},
                   index=[3, 4, 5])
# 縦方向結合
result = pd.merge(df1, df2, how='outer')
print(result)

上記のコードを実行すると、以下のような結果が得られます。

   A   B
0  1   4
1  2   5
2  3   6
3  7  10
4  8  11
5  9  12

merge関数のhowパラメータに’outer’を指定することで、縦方向結合を行っています。

方法3:join関数を使ったインデックスを基準にしたデータフレームの結合

join関数を使用すると、インデックスを基準にデータフレームを結合することができます。インデックスを基準に結合することで、異なるデータフレームの情報を組み合わせることができます。

以下の例では、2つのデータフレームを作成し、join関数を使用してインデックスを基準に結合しています。

# データフレーム1の作成
df1 = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3],
                    'B': [4, 5, 6]},
                   index=[0, 1, 2])
# データフレーム2の作成
df2 = pd.DataFrame({'C': [7, 8, 9],
                    'D': [10, 11, 12]},
                   index=[1, 2, 3])
# インデックスを基準に結合
result = df1.join(df2)
print(result)

上記のコードを実行すると、以下のような結果が得られます。

   A  B    C     D
0  1  4  NaN   NaN
1  2  5  7.0  10.0
2  3  6  8.0  11.0

join関数を使用する際、データフレーム1を基準にデータフレーム2を結合しています。データフレーム2に存在しないインデックスの場合は、NaN(欠損値)が表示されます。

実践例:それぞれの結合方法を用いた実践的な例とコード解説

ここでは、それぞれの結合方法を用いた実践的な例を紹介し、コード解説を行います。

例1:売上データの結合

売上データを管理するために、以下の2つのデータフレームを作成します。

# データフレーム1:日別売上データ
df1 = pd.DataFrame({'日付': ['2022-01-01', '2022-01-02', '2022-01-03'],
                    '売上': [1000, 2000, 1500]},
                   index=[0, 1, 2])
# データフレーム2:商品別売上データ
df2 = pd.DataFrame({'商品名': ['A', 'B', 'C'],
                    '売上': [500, 1000, 800]},
                   index=[0, 1, 2])

日別売上データと商品別売上データを結合して、全体の売上データを得ることが目標です。

方法1:concat関数による横方向結合

# 横方向結合
result1 = pd.concat([df1, df2], axis=1)
print(result1)

上記のコードを実行すると、以下のような結果が得られます。

           日付    売上 商品名    売上
0  2022-01-01  1000    A   500
1  2022-01-02  2000    B  1000
2  2022-01-03  1500    C   800

日別売上データと商品別売上データが横方向に結合され、全体の売上データが得られました。

方法2:merge関数による縦方向結合

# 縦方向結合
result2 = pd.merge(df1, df2, how='outer')
print(result2)

上記のコードを実行すると、以下のような結果が得られます。

  日付       売上 商品名
0 2022-01-01 1000   B
1 2022-01-02 2000 NaN
2 2022-01-03 1500 NaN
3 NaN         500   A
4 NaN         800   C

日別売上データと商品別売上データが縦方向に結合され、全体の売上データが得られました。

方法3:join関数を使ったインデックスを基準にした結合

# インデックスを基準に結合
result3 = df1.join(df2)
print(result3)

上記のコードを実行すると、以下のような結果が得られます。

           日付  売上 商品名
0  2022-01-01  1000    A
1  2022-01-02  2000    B
2  2022-01-03  1500    C

日別売上データと商品別売上データがインデックスを基準に結合され、全体の売上データが得られました。

例2:株価データの結合

株価データを管理するために、以下の2つのデータフレームを作成します。

# データフレーム1:日別株価データ
df1 = pd.DataFrame({'日付': ['2022-01-01', '2022-01-02', '2022-01-03'],
                    '株価': [1000, 2000, 1500]},
                   index=[0, 1, 2])
# データフレーム2:企業別株価データ
df2 = pd.DataFrame({'企業名': ['A社', 'B社', 'C社'],
                    '株価': [500, 1000, 800]},
                   index=[0, 1, 2])

日別株価データと企業別株価データを結合して、全体の株価データを得ることが目標です。

方法1:concat関数による横方向結合

# 横方向結合
result1 = pd.concat([df1, df2], axis=1)
print(result1)

上記のコードを実行すると、以下のような結果が得られます。

         日付   株価  企業名   株価
0  2022-01-01  1000   A社  500
1  2022-01-02  2000   B社  1000
2  2022-01-03  1500   C社  800

日別株価データと企業別株価データが横方向に結合され、全体の株価データが得られました。

方法2:merge関数による縦方向結合

# 縦方向結合
result2 = pd.merge(df1, df2, how='outer')
print(result2)

上記のコードを実行すると、以下のような結果が得られます。

   日付       株価 企業名
0 2022-01-01 1000 B社
1 2022-01-02 2000 NaN
2 2022-01-03 1500 NaN
3        NaN  500 A社
4        NaN  800 C社

日別株価データと企業別株価データが縦方向に結合され、全体の株価データが得られました。

注意点:同じインデックスを持つデータフレームの結合時の注意点やエラー回避策

同じインデックスを持つデータフレームを結合する際には、以下の注意点やエラー回避策について知っておく必要があります。

注意点1:重複するインデックスの削除

結合するデータフレームに重複するインデックスが存在する場合、結合時にエラーが発生することがあります。重複するインデックスを削除することで、エラーを回避することができます。

重複するインデックスを削除するには、duplicated関数を使用します。

# 重複するインデックスの削除
df1 = df1[~df1.index.duplicated()]
df2 = df2[~df2.index.duplicated()]

注意点2:結合方法の指定

merge関数やjoin関数を使用する際に、結合方法を指定する必要があります。結合方法は、howパラメータに指定します。

結合方法の一例として、以下のような指定があります。

  • ‘inner’: 共通するインデックスのみを結合します。
  • ‘outer’: 全てのインデックスを結合します。欠損値が発生することがあります。
  • ‘left’: データフレーム1のインデックスを基準に結合します。データフレーム2に存在しないインデックスの場合は、欠損値が発生します。
  • ‘right’: データフレーム2のインデックスを基準に結合します。データフレーム1に存在しないインデックスの場合は、欠損値が発生します。

注意点3:インデックスのリセット

結合後のデータフレームのインデックスが不要な場合、reset_index関数を使用してインデックスをリセットすることができます。

# インデックスのリセット
result.reset_index(drop=True, inplace=True)

上記のコードでは、dropパラメータにTrueを指定してインデックスを削除し、inplaceパラメータにTrueを指定してデータフレーム自体を変更しています。

まとめ

本記事では、Pandasを使用して同じインデックスを持つデータフレームを結合する方法について説明しました。横方向結合、縦方向結合、インデックスを基準にした結合の3つの方法を紹介し、実践的な例とコード解説も行いました。さらに、結合時の注意点やエラー回避策についても説明しました。

Pandasを使うことで、異なるデータフレームの情報を組み合わせることができます。同じインデックスを持つデータフレームを結合する際には、適切な結合方法を選択し、重複するインデックスや不要なインデックスを処理することが重要です。