Pandasでパーセンテージの変化率を効率的に計算する方法: pct_change()を使いこなそう!
はじめに
データ分析において、パーセンテージの変化率は非常に重要な指標です。金融市場や経済指標の分析、売上データの傾向把握など、多くの分野で活用されています。そこで今回は、PandasというPythonライブラリを使って、効率的にパーセンテージの変化率を計算する方法をご紹介します。
こんな人におすすめ
- データ分析に興味がある人
- Pythonでデータ解析を始めたい人
- 時系列deの簡易的な分析の仕方を知りたい人
- Pandasのpct_changeについて学びたい人
主なライブラリ
今回使用する主なライブラリは以下の通りです。
- Pandas:データ解析を容易にする強力なライブラリ
Pandasライブラリの重要性と普及
Pandasは、Pythonでデータ解析を行うためのオープンソースのライブラリです。Pandasを用いることで、データの読み込み、加工、分析が非常に容易になります。特にデータフレームというデータ構造が特徴的で、Excelのように行と列でデータを扱うことができます。また、Pandasは多くのデータ分析プロジェクトで使用されており、データサイエンスや機械学習分野での知名度も高いです。
パーセンテージ変化率の計算がデータ分析においてどのように役立つか
パーセンテージ変化率は、データの変化を相対的に評価する際に重要な指標です。例えば、株価の変動や売上の伸びなど、データの絶対値だけではなく、その変化の割合を知りたい場合に活用されます。パーセンテージ変化率を計算することで、データ間の比較が容易になり、トレンドの把握や予測に役立ちます。
Pandasの使い方
Pandasライブラリのインストールとインポート
まず、Pandasライブラリをインストールします。コマンドラインやターミナルで以下のコマンドを実行してください。
pip install pandas
Pandasライブラリをインストールしたら、Pythonプログラムでインポートしましょう。
import pandas as pd
データフレームの作成と基本操作
Pandasでは、データフレームというデータ構造を使ってデータを扱います。データフレームは、行と列で構成された表形式のデータです。以下のように、リストや辞書からデータフレームを作成することができます。
data = {'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]} df = pd.DataFrame(data)
pct_change()関数の説明と使い方
引数の説明(periods, fill_method, limit, freq)
Pandasのpct_change()関数は、データフレームやシリーズのパーセンテージ変化率を計算するための関数です。以下の引数を使って、計算方法をカスタマイズすることができます。
- periods:変化率を計算する期間(デフォルトは1)
- fill_method:欠損値の補完方法(デフォルトは’pad’)
- limit:連続する欠損値の補完回数の上限(デフォルトはNone)
- freq:時系列データの頻度(デフォルトはNone)
例題:シンプルなデータセットでのpct_change()の使用
以下の例では、シンプルなデータセットを作成し、pct_change()関数を使ってパーセンテージ変化率を計算しています。
data = {'A': [100, 120, 150], 'B': [200, 220, 250]} df = pd.DataFrame(data) df_pct_change = df.pct_change() print(df_pct_change) # A B # 0 NaN NaN # 1 0.20 0.100000 # 2 0.25 0.136364
この例では、データフレームの各要素のパーセンテージ変化率が計算され、新しいデータフレーム(df_pct_change)に格納されます。
Pandasの活用例
株価データのパーセンテージ変化率の計算
Pandasを使って、株価データのパーセンテージ変化率を簡単に計算することができます。以下の例では、株価データを読み込み、pct_change()関数を適用しています。
import yfinance as yf import datetime start = datetime.datetime(2020, 1, 1) end = datetime.datetime(2021, 1, 1) stock_data = yf.download('AAPL', start=start, end=end) stock_pct_change = stock_data['Adj Close'].pct_change()
この例では、Apple Inc.の株価データを取得し、調整後終値のパーセンテージ変化率を計算しています。
時系列データのパーセンテージ変化率の分析
時系列データの分析においても、pct_change()関数が役立ちます。以下の例では、月ごとの気温データのパーセンテージ変化率を計算しています。
temperature_data = {'Month': pd.date_range(start='2020-01', periods=12, freq='M'), 'Temperature': [30, 32, 35, 45, 55, 65, 70, 72, 68, 58, 48, 38]} df_temperature = pd.DataFrame(temperature_data) print(df_temperature) df_temperature.set_index('Month', inplace=True) print(df_temperature) # Month # 2020-01-31 30 # 2020-02-29 32 # 2020-03-31 35 # 2020-04-30 45 # 2020-05-31 55 # 2020-06-30 65 # 2020-07-31 70 # 2020-08-31 72 # 2020-09-30 68 # 2020-10-31 58 # 2020-11-30 48 # 2020-12-31 38 temperature_pct_change = df_temperature.pct_change() print(temperature_pct_change) # Temperature # Month # 2020-01-31 NaN # 2020-02-29 0.066667 # 2020-03-31 0.093750 # 2020-04-30 0.285714 # 2020-05-31 0.222222 # 2020-06-30 0.181818 # 2020-07-31 0.076923 # 2020-08-31 0.028571 # 2020-09-30 -0.055556 # 2020-10-31 -0.147059 # 2020-11-30 -0.172414 # 2020-12-31 -0.208333
この例では、月ごとの気温データをデータフレームに格納し、pct_change()関数を適用しています。
複数列を持つデータフレームでのpct_change()の適用
複数列を持つデータフレームでも、pct_change()関数を使って簡単にパーセンテージ変化率を計算することができます。以下の例では、複数列のデータフレームにpct_change()関数を適用しています。
data = {'A': [100, 120, 150], 'B': [200, 220, 250], 'C': [300, 280, 260]} df = pd.DataFrame(data) print(df) # A B C # 0 100 200 300 # 1 120 220 280 # 2 150 250 260 df_pct_change = df.pct_change() print(df_pct_change) # A B C # 0 NaN NaN NaN # 1 0.20 0.100000 -0.066667 # 2 0.25 0.136364 -0.071429
この例では、データフレームの各列のパーセンテージ変化率が計算され、新しいデータフレーム(df_pct_change)に格納されます。
まとめ
本記事では、Pandasのpct_change()関数を使って、データフレームやシリーズのパーセンテージ変化率を効率的に計算する方法を解説しました。データ分析において、パーセンテージ変化率は重要な指標であり、株価データや経済指標の分析、売上データの傾向把握など、多くの分野で活用されています。今後のデータ解析にpct_change()を積極的に取り入れることで、より洗練された分析が可能になります。
Pandasのpct_change()関数を活用することで、データ解析スキルを向上させることができます。是非、今回学んだ知識を実践に活かし、データ分析の幅を広げてください。