Pandasを使ってビン分割後に平均値を求める方法と注意点:データ解析のスキル

はじめに

データ解析において、データをビン分割することで、データの傾向を把握することができます。また、ビン分割後に各ビンの平均値を計算することで、ビンごとの傾向の違いを比較することができます。

本記事では、Pythonのデータ分析ライブラリであるPandasを使って、ビン分割後に平均値を求める方法と注意点について解説します。

ビン分割とは何か?

ビン分割とは、データを一定の区間に分けることです。例えば、数値データを等間隔の区間に分割する場合、下記のように区間を設定します。

  • 0から10までの場合、[0, 10)、つまり0以上10未満
  • 10から20までの場合、[10, 20)、つまり10以上20未満
  • 20から30までの場合、[20, 30)、つまり20以上30未満

このように区間を設定することで、データを一定の単位で分けることができます。

ビン分割後に平均値を求める意義と用途

ビン分割後に平均値を求めることで、ビンごとの平均値の違いを比較することができます。例えば、年齢データをビン分割し、各ビンの平均値を計算することで、年代ごとの傾向の違いを把握することができます。

また、ビン分割後に平均値を求めることで、データの傾向を把握することができます。例えば、身長データをビン分割し、各ビンの平均値を計算することで、身長の分布の傾向を把握することができます。

Pandasでのビン分割の実行方法ビン分割の実行方法

Pandasでは、cut()関数を使用することで、ビン分割を行うことができます。下記の例では、年齢データを10歳区切りでビン分割しています。

import pandas as pd

# 年齢データ
ages = [22, 25, 29, 31, 34, 36, 39, 41, 44, 47, 51, 55, 59, 64, 68, 73, 78, 83, 88, 93]

# 10歳区切りでビン分割
age_bins = pd.cut(ages, bins=range(20, 101, 10))
print(age_bins)

出力結果:

[(20, 30], (20, 30], (20, 30], (30, 40], (30, 40], ..., (60, 70], (60, 70], (70, 80], (80, 90], (90, 100]]
Length: 20
Categories (8, interval[int64]): [(20, 30] < (30, 40] < (40, 50] < (50, 60] < (60, 70] < (70, 80] < (80, 90] < (90, 100]]

上記の例では、cut()関数の引数として、ビン分割する対象となるデータagesを指定しています。また、bins引数には、ビン分割する区間を指定しています。ここでは、10歳区切りで区間を設定しています。

出力結果を見ると、ビン分割された結果が表示されています。各要素は、ビンの区間を示しています。例えば、(20, 30]は、20より大きく30以下の年齢を示しています。

ビン分割後のデータを使った平均値の計算方法

ビン分割後に平均値を求めるためには、groupby()関数を使用します。下記の例では、年齢データを10歳区切りでビン分割し、各ビンの平均値を計算しています。

import pandas as pd

# 年齢データ
ages = [22, 25, 29, 31, 34, 36, 39, 41, 44, 47, 51, 55, 59, 64, 68, 73, 78, 83, 88, 93]

# 10歳区切りでビン分割
age_bins = pd.cut(
ages, bins=range(20, 101, 10))

# ビンごとの平均値を計算
age_mean = pd.Series(ages).groupby(age_bins).mean()
print(age_mean)

出力結果:

(20, 30]     25.333333
(30, 40]     35.000000
(40, 50]     44.000000
(50, 60]     55.000000
(60, 70]     66.000000
(70, 80]     75.500000
(80, 90]     85.500000
(90, 100]    93.000000
dtype: float64

上記の例では、groupby()関数に、ビン分割後のデータage_binsを指定しています。その後、mean()関数を使って、各ビンの平均値を計算しています。

出力結果を見ると、各ビンの平均値が表示されています。例えば、(20, 30]の平均値は27.2となっています。

ビン分割と平均値計算の注意点

ビン分割の注意点

ビン分割の際には、以下の点に注意する必要があります。

  • ビンの区間を適切に設定することで、データの傾向を正しく把握できます。
  • ビンの区間を細かく設定しすぎると、各ビンのサンプル数が少なくなり、正確な傾向を把握することができません。
  • ビンの区間を粗く設定しすぎると、各ビンのサンプル数が大きくなりすぎ、ビンごとの違いがわからなくなる場合があります。

平均値計算の注意点

平均値を計算する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • データが正規分布に従う場合、平均値は妥当な代表値となります。
  • データが正規分布に従わない場合、中央値や最頻値を代表値として使う方が妥当な場合があります。
  • ビンごとのサンプル数が小さい場合、平均値の精度が低下することがあります。

ビン分割後の平均値を活用したデータ解析の例

ビン分割後の平均値を活用することで、データ解析の幅が広がります。以下に、ビン分割後の平均値を使ったデータ解析の例をいくつか紹介します。

身長データの分布の傾向の解析

身長データをビン分割し、各ビンの平均値を計算することで、身長データの分布の傾向を把握することができます。下記の例では、日本人男性の身長データをビン分割し、各ビンの平均値を計算しています。

import pandas as pd

# 日本人男性の身長データ(単位:cm)
heights = [157, 162, 167, 172, 177, 182, 187, 192, 197, 202]

# 5cm区切りでビン分割
height_bins = pd.cut(heights, bins=range(155, 206, 5))

# ビンごとの平均身長を計算
height_mean = pd.Series(heights).groupby(height_bins).mean()
print(height_mean)

出力結果:

(155, 160]    157.0
(160, 165]    162.0
(165, 170]    167.0
(170, 175]    172.0
(175, 180]    177.0
(180, 185]    182.0
(185, 190]    187.0
(190, 195]    192.0
(195, 200]    197.0
(200, 205]    202.0
dtype: float64

出力結果を見ると、ビンごとの平均身長が表示されています。身長が高い方向に向かって、ビンごとの平均身長が徐々に増加していることがわかります。

カテゴリデータの傾向の解析

カテゴリデータをビン分割し、各ビンの平均値を計算することで、カテゴリデータの傾向を把握することができます。下記の例では、日本の都道府県別の人口データをビン分割し、各ビンの平均値を計算しています。

import pandas as pd

# 都道府県別の人口データ
populations = [1322307, 7236396, 5534800, 1280561, 890336, 4027644, 2830601]

# 全都道府県の人口を合計
total_population = sum(populations)

# 人口の割合を計算
population_rate = pd.Series(populations) / total_population

# 人口の割合を5つの区分に分ける
population_bins = pd.qcut(population_rate, q=5, labels=['A', 'B', 'C', 'D', 'E'])

# ビンごとの平均人口を計算
population_mean = pd.Series(populations).groupby(population_bins).mean()
print(population_mean)

出力結果:

A    1085448.5
B    1322307.0
C    2830601.0
D    4027644.0
E    6385598.0
dtype: float64

出力結果を見ると、ビンごとの平均人口が表示されています。人口の多い都道府県が、より高いビンに分類されていることがわかります。

まとめ

本記事では、Pandasを使ってビン分割後に平均値を求める方法と注意点について解説しました。以下の点について、まとめておきます。

  • ビン分割とは、データを区分けする方法の一つで、データをグループ分けして解析する際に有用です。
  • ビン分割後に平均値を求めることで、各グループの傾向を把握することができます。
  • Pandasのcut()関数を使えば、簡単にビン分割を行うことができます。
  • ビン分割の際には、ビンの区間を適切に設定することが重要です。
  • 平均値を計算する際には、データの分布やビンごとのサンプル数に注意する必要があります。
  • ビン分割後の平均値を使ったデータ解析には、身長や人口などのデータの傾向を把握することができます。

以上で、Pandasを使ってビン分割後に平均値を求める方法と注意点についての解説を終わります。本記事が、データ解析においてのスキルアップの一助となることを願っています。