Pandasで時系列分析の基本!時系列毎の集計[Python]

はじめに

時系列データは、時間的な順序に従って収集されたデータのことを指します。例えば、株価や気温、売上データなどが時系列データの一例です。PandasはPythonのデータ解析ライブラリであり、時系列データの取り扱いにも優れています。

Pandasでの時系列データの作成方法

Pandasでは、時系列データを扱うための専用のデータ構造として「DatetimeIndex」を使用します。DatetimeIndexは、日時をインデックスとして持つデータフレームを作成するためのインデックスの一種です。

例えば、以下のコードを使用して、日時がインデックスとなったデータフレームを作成できます。

import pandas as pd
# 日時の範囲を指定してDatetimeIndexを作成
date_range = pd.date_range(start='2023-01-01', end='2023-12-31', freq='D')
# データフレームの作成
df = pd.DataFrame(index=date_range)
print(df.head())

上記のコードでは、2023年1月1日から2023年12月31日までの日付範囲を1日ごとに生成し、それをインデックスとして持つデータフレームを作成しています。

時系列データの基本的な集計方法

Pandasを使用すると、時系列データの基本的な集計を簡単に行うことができます。以下にいくつかの基本的な集計方法を示します。

平均値の計算

時系列データの平均値を計算するには、resampleメソッドを使用します。例えば、以下のコードでは、月ごとの平均値を計算しています。

# 月ごとの平均値を計算
monthly_mean = df.resample('M').mean()
print(monthly_mean.head())

上記のコードでは、resample('M')によって月ごとのグループに分け、mean()メソッドによって各グループの平均値を計算しています。

合計値の計算

# ータの合計値を計算するには、resampleメソッドとsum()メソッドを組み合わせて使用します。以下のコードは、年ごとの合計値を計算する例です。

# 年ごとの合計値を計算
yearly_sum = df.resample('Y').sum()
print(yearly_sum.head())

上記のコードでは、resample('Y')によって年ごとのグループに分け、sum()メソッドによって各グループの合計値を計算しています。

時系列による集計の応用例(月ごと、年ごとなど)

時系列データの集計は、月ごとや年ごとの統計情報を把握する上で重要です。Pandasでは、resampleメソッドの引数に異なる頻度(’M’、’Y’など)を指定することで、様々な集計が可能です。

例えば、以下のコードは、日次のデータから月ごとの平均値、最大値、最小値を計算する例です。

# 統計量を算出する値を作成
df['num'] = list(range(len(df)))

# 月ごとの平均値、最大値、最小値を計算
monthly_stats = df.resample('M').agg(['mean', 'max', 'min'])
print(monthly_stats.head())

上記のコードでは、agg()メソッドを使用して、’mean’(平均値)、’max’(最大値)、’min’(最小値)を指定しています。

時系列分析で出る可能性のある問題とその解決策

時系列分析を行う際には、いくつかの問題が生じる可能性があります。以下に代表的な問題とその解決策をいくつか紹介します。

欠損値の処理

時系列データには欠損値が含まれる場合があります。欠損値を適切に処理しないと、分析結果に影響を与える可能性があります。Pandasでは、fillna()メソッドやinterpolate()メソッドなどを使用して、欠損値を補完することができます。

外れ値の検出と除外

時系列データには、外れ値(異常値)が含まれることがあります。外れ値は、分析結果に歪みを与える可能性があります。Pandasを使用して外れ値を検出し、必要に応じて除外することができます。一般的な外れ値検出手法としては、統計的な手法(例:3σ法やTukeyの外れ値検出)や機械学習ベースの手法(例:ロバスト回帰、異常検知アルゴリズム)を使用することがあります。

季節性の考慮

時系列データには季節性が存在する場合があります。季節性を考慮せずに分析を行うと、正確な予測やトレンドの把握が困難になることがあります。Pandasでは、季節性を考慮した分析手法(例:季節調整)や季節性の影響を除去する手法(例:差分法、移動平均法)を使用することができます。

Pandasを用いた時系列分析の方法

以下に、Pandasを用いた時系列分析の方法をいくつか紹介します。

データの可視化

時系列データを可視化することは、分析結果の理解やトレンドの把握に役立ちます。Pandasのplot()メソッドを使用して、折れ線グラフや棒グラフなどを作成することができます。

データの前処理

時系列データには欠損値や外れ値が含まれることがあります。データの前処理を適切に行うことで、分析結果の信頼性を向上させることができます。前述した欠損値の処理や外れ値の検出・除外を適切に行いましょう。

予測モデルの構築

時系列データの予測は、ビジネス上の意思決定や需要予測などに活用されます。Pandasを使用して、時系列データの予測モデル(例:ARIMAモデル、指数平滑法、機械学習モデル)を構築することができます。

まとめ

Pandasは強力なデータ解析ツールとして、時系列データの取り扱いにも優れています。本記事では、Pandasを使用した時系列分析の基本について紹介しました。はじめに、時系列データとは何か、その特性とPandasでの取り扱いについて説明しました。

次に、Pandasを使用して時系列データを作成する方法について解説しました。さらに、時系列データの基本的な集計方法について説明しました。平均値や合計値の計算方法を示し、月ごとや年ごとの集計の応用例も紹介しました。

また、時系列分析で生じる可能性のある問題とその解決策についても触れました。欠損値の処理や外れ値の検出・除外、季節性の考慮など、時系列分析において注意すべきポイントを説明しました。

最後に、Pandasを用いた時系列分析のベストプラクティスについて述べました。データの可視化や前処理、予測モデルの構築など、時系列データの分析において重要なポイントをまとめました。

Pandasを使えば、簡単に時系列データの集計や分析を行うことができます。ぜひこの記事を参考にして、Pandasを活用した時系列分析の基本をマスターしてください。