【Python】PandasでNaNを考慮したデータ比較の方法を学ぼう!

今回はPythonのデータ解析ライブラリであるPandasを使用したデータ比較についてご紹介します。特に、欠損値であるNaNを考慮したデータ比較方法に焦点を当てます。

NaN(欠損値)とは何か、その扱い方について

NaNは、Not a Numberの略で、数値として認識できない値を表します。欠損値は、データの入力エラーや欠損によって発生することがあります。欠損値は、データの統計処理や可視化に影響を与える可能性があるため、適切な扱いが必要です。

NaNを含むデータに対する統計処理を行う場合は、通常、欠損値を除外して処理するか、欠損値を適切な値で埋める必要があります。Pandasでは、dropna()やfillna()などの関数を使用して、欠損値を処理することができます。

Pandasでデータフレームを読み込む方法

Pandasでデータフレームを扱うには、CSVファイルなどのデータを読み込んでから、Pandasのデータフレームオブジェクトに変換する必要があります。データを読み込む方法はいくつかありますが、CSVファイルを読み込む方法を紹介します。

まず、Pandasをインポートします。

import pandas as pd

次に、CSVファイルを読み込みます。

df = pd.read_csv('data.csv')

CSVファイルのパスには、適切なパスを指定する必要があります。読み込んだデータは、Pandasのデータフレームオブジェクトであるdfに格納されます。

NaNを考慮したデータ比較の方法

データフレーム同士の比較を行う際、欠損値を考慮する必要があります。Pandasでは、equals()メソッドを使用して、データフレーム同士を比較することができます。このメソッドでは、欠損値を含む場合でも適切に比較することができます。

たとえば、以下のような2つのデータフレームがあるとします。

import pandas as pd
df1 = pd.DataFrame({
    'A': [1, 2, 3, 4],
    'B': [5, 6, 7, 8],
    'C': [9, 10, None, 12]
})
df2 = pd.DataFrame({
    'A': [1, 2, 3, 4],
    'B': [5, 6, 7, 8],
    'C': [9, 10, None, 12]
})

equals()メソッドを使用して、2つのデータフレームを比較するには、以下のようにします。

result = df1.equals(df2)
print(result)

出力結果は以下のようになります。

True

欠損値が含まれる列でも、equals()メソッドを使用することで、適切に比較することができます。

NaNを含むデータの前処理方法

データフレームに欠損値が含まれる場合、欠損値を除外して処理するか、欠損値を適切な値で埋める必要があります。欠損値を除外する場合は、dropna()メソッドを使用します。

たとえば、以下のようなデータフレームがあるとします。

import pandas as pd
df = pd.DataFrame({
    'A': [1, 2, None, 4],
    'B': [5, None, 7, 8],
    'C': [9, 10, 11, 12]
})

欠損値を除外するには、以下のようにします。

df = df.dropna()
print(df)

出力結果は以下のようになります。

     A    B   C
0  1.0  5.0   9
3  4.0  8.0  12

欠損値を適切な値で埋める場合は、fillna()メソッドを使用します。

たとえば、以下のようなデータフレームがあるとします。

import pandas as pd
df = pd.DataFrame({
    'A': [1, 2, None, 4],
    'B': [5, None, 7, 8],
    'C': [9, 10, 11, 12]
})

欠損値を0で埋める場合は、以下のようにします。

df = df.fillna(0)
print(df)

出力結果は以下のようになります。

     A    B   C
0  1.0  5.0   9
1  2.0  0.0  10
2  0.0  7.0  11
3  4.0  8.0  12

欠損値を他の値で埋める場合は、例えば平均値や中央値などを使用することが一般的です。以下のように、fillna()メソッドに平均値を指定することで、欠損値を平均値で埋めることができます。

df = df.fillna(df.mean())
print(df)

出力結果は以下のようになります。

          A         B   C
0  1.000000  5.000000   9
1  2.000000  6.666667  10
2  2.333333  7.000000  11
3  4.000000  8.000000  12

実践的な例でのNaNを考慮したデータ比較

実際のデータ解析においては、欠損値を考慮したデータ比較が必要なことが多々あります。以下では、実際のデータを使用して、equals()メソッドを使用したデータ比較を行ってみます。

今回使用するデータは、ある日の東京の気象データです。以下のような2つのデータフレームがあるとします。

import pandas as pd

df1 = pd.DataFrame({
    'time': ['2023-04-28 00:00:00', '2023-04-28 01:00:00', '2023-04-28 02:00:00', '2023-04-28 03:00:00'],
    'temp': [20.0, 18.5, 17.0, 16.0],
'humidity': [40.0, 45.0, 50.0, 55.0]
})
df2 = pd.DataFrame({
'time': ['2023-04-28 00:00:00', '2023-04-28 01:00:00', '2023-04-28 02:00:00', '2023-04-28 03:00:00'],
'temp': [20.0, None, 17.0, 16.0],
'humidity': [40.0, 45.0, 50.0, 55.0]
})

2つのデータフレームは、時間、温度、湿度の3つのカラムから構成されています。df2の温度カラムに欠損値が含まれています。

equals()メソッドを使用して、2つのデータフレームを比較するには、以下のようにします。

result = df1.equals(df2)
print(result)

出力結果は以下のようになります。

False

欠損値を含むデータフレーム同士を比較する場合、equals()メソッドでは、欠損値を含むカラムでの比較はFalseを返します。

欠損値を除外して比較する場合は、以下のようにします。

result = df1.dropna().reset_index(drop=True).equals(df2.dropna().reset_index(drop=True))
print(result)

出力結果は以下のようになります。

True

欠損値を除外して比較することで、欠損値を含むカラムでの比較を行わずに、データフレームを比較することができます。

まとめ

本記事では、Pandasを使用したデータ比較についてご紹介しました。特に、欠損値を考慮したデータ比較方法に焦点を当てました。Pandasでは、equals()メソッドを使用することで、欠損値を含むデータフレーム同士を適切に比較することができます。また、欠損値を除外する方法や、欠損値を適切な値で埋める方法についても紹介しました。欠損値を適切に扱うことで、正確なデータ解析ができるようになります。