
pandasで時系列データの補間をマスター!欠損値処理の基本と応用
はじめに
本記事では、pandasを用いた時系列データの補間について解説します。時系列データには欠損値が含まれることがよくありますが、欠損値が含まれたデータをそのまま扱うとデータの解析や可視化に問題が生じます。そこで、欠損値を補間することでデータの完全性を保ち、より正確な解析や可視化を行うことができます。
時系列データの補間とは
時系列データの補間とは、欠損値が含まれた時系列データに対して、欠損値を推測してデータを補完することを指します。補間によって得られたデータは、欠損値が含まれていないため、データの解析や可視化に適した形式になります。
欠損値処理の重要性
欠損値が含まれたデータをそのまま扱うと、データの解析や可視化に問題が生じます。たとえば、欠損値を含む列や行を削除すると、データ数が減少してしまい、正確な結果を得られなくなる可能性があります。また、欠損値を無視して解析や可視化を行うと、結果が歪んでしまうことがあります。そのため、欠損値を適切に処理することが重要です。
この記事の目的
本記事の目的は、pandasを用いた時系列データの補間について解説することです。本記事を読むことで、時系列データの補間に必要な基礎知識を習得し、実際のデータに対して補間を行うことができるようになることを目指します。
こんな人におすすめ
この記事は、次のような方におすすめです。
- pandasを用いたデータ解析や可視化に興味がある人
- 時系列データに欠損値が含まれる場合の対処法を知りたい人
- 時系列データの補間について学びたい人
使用する主なライブラリ
本記事では、次のライブラリを使用します。
- pandas
- matplotlib
欠損値の検出方法
Pandasでは、欠損値の検出が簡単に行えます。たとえば、次のように欠損値の有無を調べることができます。
1 2 3 4 5 6 7 | import pandas as pd # csvファイルを読み込む df = pd.read_csv( 'data.csv' ) # 欠損値の有無を調べる print (df.isnull(). sum ()) |
このように、isnullメソッドを使用して欠損値をTrue、非欠損値をFalseとするブール型のデータフレームを作成し、sumメソッドを使用して列ごとに欠損値の数を計算します。
Pandasでの時系列データの補間
Pandasでは、時系列データの補間が簡単に行えます。ここでは、線形補間、時間インデックスを利用した補間、外挿法などの補間方法について解説します。
線形補間(linear interpolation)の説明と実装方法
線形補間とは、2つの既知の値の間に位置する点の値を、直線で結んだときの交点のy座標とする方法です。たとえば、次のようなデータがあったとします。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 | import pandas as pd import numpy as np # 時系列データを生成する index = pd.date_range( '2022-01-01' , periods = 5 , freq = 'D' ) data = pd.Series([ 1 , 3 , np.nan, 7 , 9 ], index = index) # データを表示する print (data) |
このデータに対して、線形補間を行うと、次のようなデータが得られます。
1 2 3 4 5 | # 線形補間を行う interpolated_data = data.interpolate() # 補間したデータを表示する print (interpolated_data) |
このように、interpolateメソッドを使用して線形補間を行うことができます。
時間インデックスを利用した補間方法
時間インデックスを利用した補間方法とは、時間インデックスを設定したデータに対して、線形補間や他の補間方法を行う方法です。たとえば、次のようにデータがあったとします。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 | import pandas as pd import numpy as np # 時系列データを生成する index = pd.date_range( '2022-01-01' , periods = 5 , freq = 'D' ) data = pd.Series([ 1 , 3 , np.nan, 7 , 9 ], index = index) # データを表示する print (data) |
このデータに対して、時間インデックスを設定して線形補間を行うと、次のようなデータが得られます。
1 2 3 4 5 6 7 8 | # 時間インデックスを設定する data_with_index = data.asfreq( 'D' ) # 線形補間を行う interpolated_data = data_with_index.interpolate() # 補間したデータを表示する print (interpolated_data) |
まず、asfreqメソッドを使用して、時間インデックスを設定します。次に、interpolateメソッドを使用して、線形補間を行います。
外挿法(extrapolation)の説明と実装方法
外挿法とは、既知の値の範囲を外側に拡張し、その範囲外の点の値を推定する方法です。たとえば、次のようなデータがあったとします。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 | import pandas as pd import numpy as np # 時系列データを生成する index = pd.date_range( '2022-01-01' , periods = 5 , freq = 'D' ) data = pd.Series([ 1 , 3 , np.nan, 7 , 9 ], index = index) # データを表示する print (data) |
このデータに対して、外挿法を行うと、次のようなデータが得られます。
1 2 3 4 5 | # 外挿法を行う extrapolated_data = data.interpolate(method = 'polynomial' , order = 2 ) # 補間したデータを表示する print (extrapolated_data) |
このように、interpolateメソッドのmethod引数に’polynomial’、order引数に2を指定することで、外挿法を行うことができます。
他の補間方法(多項式補間、スプライン補間など)の紹介
線形補間や外挿法以外にも、多項式補間やスプライン補間など、様々な補間方法があります。これらの補間方法については、Pandasのドキュメントや関連するライブラリのドキュメントを参照してください。
Pandasの活用例
ここでは、実際に時系列データの補間を行う例を紹介します。
実際の時系列データを用いた欠損値処理の例
たとえば、次のような時系列データがあったとします。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 | import pandas as pd import numpy as np # 時系列データを生成する index = pd.date_range( '2022-01-01' , periods = 10 , freq = 'D' ) data = pd.Series([ 1 , 3 , np.nan, 7 , 9 , np.nan, np.nan, 15 , np.nan, 19 ], index = index) # データを表示する print (data) |
このデータに対して、時間インデックスを設定して、線形補間を行うと、次のようなデータが得られます。
1 2 3 4 5 6 7 8 | # 時間インデックスを設定する data_with_index = data.asfreq( 'D' ) # 線形補間を行う interpolated_data = data_with_index.interpolate() # 補間したデータを表示する print (interpolated_data) |
このように、欠損値を線形補間することで、補間後のデータを得ることができます。
補間方法を選択する際のポイント
補間方法を選択する際には、データの性質や目的に合わせて適切な方法を選択する必要があります。たとえば、線形補間はシンプルで計算量が少なく、基本的な欠損値処理に適しています。一方、多項式補間やスプライン補間はより高度な補間が必要な場合に適しています。
補間処理後のデータ分析・可視化例
補間処理後のデータに対して、分析や可視化を行うことができます。たとえば、次のように補間後のデータを可視化することができます。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 | import pandas as pd import matplotlib.pyplot as plt # 時系列データを生成する index = pd.date_range( '2022-01-01' , periods = 10 , freq = 'D' ) data = pd.Series([ 1 , 3 , np.nan, 7 , 9 ,np.nan, np.nan, 15 , np.nan, 19 ], index = index) # 時間インデックスを設定する data_with_index = data.asfreq( 'D' ) # 線形補間を行う interpolated_data = data_with_index.interpolate() # データを可視化する plt.plot(data_with_index, label = 'original' ) plt.plot(interpolated_data, label = 'interpolated' ) plt.legend() plt.show() |
このように、matplotlibライブラリを使用して補間前のデータと補間後のデータをプロットすることができます。
まとめ
Pandasを使用することで、時系列データの補間が簡単に行えます。線形補間や時間インデックスを利用した補間、外挿法など、様々な補間方法があります。補間方法を選択する際には、データの性質や目的に合わせて適切な方法を選択する必要があります。補間処理後のデータに対しては、分析や可視化を行うことができます。